2013年頃、お母様と(写真提供:有限会社まいど)

子育てに介護、落ち込んでいる暇はない

母の介護を17年しました。こう言うと、介護の話をしてほしい、コツを教えてほしいと頼まれます。でも、はっきり言って人の介護話なんか参考になりません。みんなが同じ道を辿るわけやないから。

逆に親の介護をし終わった人の話は、これから介護をする人たちのプレッシャーになるのではと思います。どんだけ大変か聞かされた挙句、みんなやってるのだから自分も頑張らなければ、と思うでしょ。

でも親の介護は子の義務やないんですよ。気が進まへんのやったら、せんでもええねん。私は自分のために母の介護をしました。母が喜ぶと嬉しいからやりたかっただけです。

それに一人でやったわけではありませんよ。周りの人にどれほど助けてもらったか。ただ、17年も続くとは思ってなかった。(笑)

アメリカで結婚した私が離婚し、生後6ヵ月だった息子のイサを抱えて帰国したのは33歳の時でした。

そこから母との3人暮らしが始まったんですけど、落ち込んでる暇はなかった。とにかく息子を食べさせなくてはと、近所の子たちに英語やピアノを教えたり、ジャズバーで演奏したりと何でもやりました。