退院後の生活改善と人生の後始末
退院後の喫緊の課題は生活改善だ。まずは介護申請をして要支援2をもらい、食生活の改善には宅配のお弁当を頼み、週1回のデイサービスでリハビリを継続することにした。
警備会社のシステムを利用して安全確認契約を結び、自宅マンションで倒れたときの備えも万全、だったはずなのだが……。
「宅配の弁当を受け取るのが面倒でねえ。毎日、1階の玄関ドアを開けるのが負担で断ってしまったんだよ。自由に出かけられなくなったから」
マンションはオートロック方式で、お弁当を受け取るためには在宅して玄関ドアを居室から開ける必要がある。
そのために外出時間が制限されるのがどうにも我慢できなかったようだ。この頃まではどうにか近くのコンビニまでは足を運べていたが、だんだん億劫になっていった。
そしてとうとう2度目の発作を起こしてしまう。ほんの50メートルの距離を歩き切れず、道端にしゃがみこんでしまったのだ。
「以前入院していた循環器の専門病院に駆け込んで、もう1度入院させてもらおうと思ったんだけど、断られてしまったよ」