「朝早く出れば、日帰りでも丸々1日使えます。宿泊しないので荷物は軽いし、宿泊代も節約できます」(写真提供『90年、無理をしない生き方』すばる舎/撮影:林ひろし)
85歳で孫と一緒に始めた、古い団地でのひとり暮らしを紹介するYouTubeチャンネル『Earthおばあちゃんねる』が人気となり、著書も累計18万部の大ヒット。それでも、毎日の暮らしは変わらないと話す多良美智子さん。90歳を迎え、体の衰えはあっても「無理をしない」生き方で、日々機嫌よく暮らしています。そんな美智子さんの90年の人生を振り返った著書『90年、無理をしない生き方』から、いくつになっても機嫌よく過ごす秘訣を紹介します。

朝早く出れば丸1日使える、おトクな日帰り旅行

35年ほど前、テレビで「無言館」の特集を見て、行ってみたいと思い立ちました。長野県上田市にある、戦没画学生の慰霊美術館です。

日帰りで、ひとりでぱっと行ってくるつもりでしたが、行きづらい場所にあります。

絵手紙のお友達に、時刻表を見るのが好きでいつも電車の時間を調べてくれる人がいたので、「日帰りで行く方法があるか調べてもらえない?」とお願いしました。

すると、「日帰りで行けるわよ。私も行きたい」とのこと。それを聞いていた他の絵手紙仲間も、「日帰りなら、私も行きたい」と言い出し、結局5人で行くことになりました。

私は、「日帰りでゆっくりできないから、新幹線代がもったいないわよ」と言いましたが、みんなには「夫や子どもがいるから泊まりがけは難しい。日帰りのほうがいい」と逆のことを言われました。