息子たちが小さい頃の写真。左の赤ちゃんは次男、右の赤ちゃんは長男。長男は数年前に還暦を迎えました。(写真提供『90年、無理をしない生き方』すばる舎/撮影:林ひろし)

自分ひとりで、子育ても家事もがんばらないといけないと思って、いつもイライラしていました。九州から引っ越してきて間もないから、近くに話せる友達もいません。夫には、新しい仕事に注力してほしかったから、家のことは話せませんでした。

良妻賢母でいたかったんでしょうね。夫からは「部屋が散らかっている」と言われたわけではなかったのに、自分で思い込んでしまった。母が家をいつでもきれいに片づけていたので、そのイメージが染みついていました。

次男のひと言で我に返って、それからは、「お母さんじゃなくてもいい。友達やお姉さんのように接しよう」と切り替えました。

元々何事も切り替えが早いタイプでしたが、このときも不思議とパッと切り替えられました。心のどこかでは、イライラしている自分をどうにかしたいと思っていたのです。子どもたちが、私の顔色ばかり見ているなと気になっていましたから……。

部屋が散らかっていてもいい、ごはんの時間が遅くなってもいいと、いいかげんな母親になりました。