
ジャーマンポテト(上)茹でたじゃがいも、玉ねぎ、ベーコンを炒めて。孫たちに人気でした。/肉じゃが(下)肉は牛肉ではなく豚肉です。次男親子が来たとき、よく作ります。(写真提供『90年、無理をしない生き方』すばる舎/撮影:林ひろし)
孫には自活していく大切さを伝えています
当時、高校3年生だった孫(娘の息子)が、お正月にわが家にきたとき、部屋の隅っこでしょんぼりしていました。
娘が「今、学校に行ってないのよ」とこそっと教えてくれたので、孫を呼んで、「学校がいやだったら、やめてもいいのよ」と言いました。
あと3ヵ月足らずで卒業という時期、親だったらなかなか言えないことです。次男が大学をやめたいと言ったときは、私自身も悩んだからわかります。でも、祖母の立場なら、親とは違う視点のアドバイスができると思いました。
「そのかわり、手に職をつけなさい。自分ひとりで生きていけるような技術を身につけてごらんよ。おばあちゃん、調理師の専門学校に通ったけど、楽しかったわよ」
65歳の頃、母代わりだった4番目の姉が癌で亡くなり、落ち込んでいました。子どもたちが「何か好きなことをやりなよ」と背中を押してくれ、一念発起して調理師の専門学校に1年間通いました。そのことを例にして、孫を励ましたのです。
子どもの人生の選択は、親がしたらいけないですね。本人に選ばせないと。その後、孫は本当に高校をやめて、美容師の専門学校に通いました。今では、独立して自分のお店を出し、家族も持って、楽しく暮らしています。