それまでは、片づけや家事に一生懸命で、子どもたちが話しかけてきても「後でね」と言っていましたが、必ず手を止めて「なあに?」と聞くように。

そうしたら、「僕もお手伝いする。今日はどのお皿を使うの?」「あなたの好きなお皿を持ってきていいのよ」なんて、どんどん打ち解けていきました。

ふたりともよくしゃべるようになって、私の顔色も見なくなったので、本当にほっとしました。

あの頃の自分の顔を想像すると、ゾッとします。鬼婆だったでしょうね。それからは怒ったことはありません。時々、意見の相違で言い争うことはありましたが。

怒らないと、子どもたちもちゃんとするんですね。片づけられるようにはならないけれど、一緒に片づけるようにはなりました。

それに私がいいかげんになったから、きちんとしていなくても、イライラしません。怒らなくなったことで、私もラクに子育てができるようになりました。

 

『90年、無理をしない生き方』(著:多良美智子/すばる舎)