呪いによる突然死を検証
ところで、呪詛によって、本当に人は死ぬのだろうか?
実際にそういうことは「ある」と考えられている。呪いがもとで起こると考えられる原因不明の突然死は、生理学者であり心理学にも功績を残したキャノンによってVoodoo Death(ヴードゥー・デス)と名づけられ、心因性死、心身症死、などと呼ばれたりもしている。
ヴードゥーという言葉のもととなったヴードゥー教は、西アフリカを起源とする宗教であり、多くのバリエーションがある。キリスト教やドルイド教の影響を受け、混淆しながら、ハイチやその他のカリブ海地域、および米国南部に散在するコミュニティに分布しているものを指すのが一般的なようだ。宗教というよりも、どちらかといえば宗教的慣習、宗教的信念であるというほうが実情に近いのかもしれない。
人身御供やカニバリズムをともなうとして排除されてきたという歴史があるが、現代でも、魔術や呪いによって、標的となった人物を死に至らしめることができると信じられている。