信じたことが体に与える影響
プラシーボ効果はよく知られていると思うが、その逆の効果がノーシーボ効果である。ノーシーボ効果とは、有害な副作用が考えられると伝えられることによって、ダミーの治療法や治療薬であるのに望ましくない症状が現れることを言う。この事件はノーシーボと言えるかもしれない。
ただ、この助手の死に関して、神経科学者のヴィッセルは、それがノーシーボによるものかどうかについては慎重な姿勢をとっている。ノーシーボというよりも、ショックによる死ではないかと彼は言う。鳥などの野生動物は、極度の衝撃的な経験によって心臓発作を起こす可能性があり、これが人間にも当てはまる可能性は低くはない。
たとえば、最近の研究では、怒りなどが心臓発作を引き起こす可能性があることが示されている、と彼は語っている。
心停止をもたらすような極度のショックか、ノーシーボか、いずれにしても、私たちが信じていることは、私たちの体に大きな影響を与える可能性があるのだと言える。