忙しい相手が困ってしまう話し方

このような話し方をするのは、3つの場合が考えられる。

第1は自分の話に念を押したい場合だ。

遅刻して申し訳なかったということを心を込めて詫びたいと思っている。だから、1回言っただけでは誠意が伝わらないような気がする。だから、繰り返して言う。

第2の場合は、上手に話を終えることができない場合だ。

まとまりをつけて話を終わりにできればそこで終わるのだが、音楽における最後の和音のようにうまく終わりにできない。だから、何か言い足りない気がしてまた同じことを言ってしまう。それを繰り返す。

第3の場合は、本当に話をしているうちに、前に話したことを忘れてしまう場合だ。

この場合は自分で繰り返して話している自覚がない人だ。だが、実際には第1の場合と第2の場合がほとんどだろう。おそらく自覚したうえで繰り返し話している。だが、いずれにせよ、このタイプの人が困るのは、時間の効率が極端に悪いことだ。

かなり長い時間一緒に過ごしていても、同じことを何度も繰り返しているので情報量が少ない。無駄話をしている分にはそれでもかまわないが、忙しいビジネスマンがこれでは相手が困ってしまう。

 

頭のいい人が人前でやらないこと』(著:樋口裕一/青春出版社)