支離滅裂な発言をする

もっとも愚かだとみなされるのが、支離滅裂な話をする人だ。

無口ではない。むしろ、しゃべるのが好きな人も多い。ただ、内容がない。話題が幼稚なだけではない。そもそも何を言っているのかわからない。支離滅裂な話には2つのパターンがある。

第1は、5Wを明確にしないで自分一人でわかった気になって話すために、共通の情報を少しも共有できない場合だ。

誰がどこでいつしたのかを明確にしないまま、主語もなく、「赤いワンピースを着てたのよ」などと言い出す。

そのあとで説明があるのかと思うと、それなしに話が展開していく。場合によっては、そこに「さっちゃん」という心当たりのない登場人物が顔を出して何かを始めたりする。

しかも、登場人物は2人だとばかり思っていると、どうやら3人だったり4人だったり、中に中年の男性が含まれていたりする。誰かが誰かに文句を言ってけんかになったというような少々複雑な話を、状況抜きに語るので、聞いているほうは、いよいよわからなくなってくる。

時には「係長」という名前が出てくるので当然1人のことを語っていると思っていると、A係長とB係長とC係長をすべて「係長」と呼んでいたりする。「係長ったら、書類がひどいって怒ったのよ。そしたら、係長がそれに文句を言って謝らせたの。係長はどうしていいかわからなくなって係長のところに相談に行ったんだって」

しかし、話している当人は、みんなが了解しているものと思い込んで話し続ける。