著者に繋がる国学者も
次に塙検校(1746~1821)。名前は保己一。国学者であり、歴史学者でもあります。日本各地に散在していた古い書物を集め、『群書類従』『続群書類従』を編纂しました。
書を見ることができないので、人が音読したものを暗記して学問を進めた、といいます。まさに超人というべきでしょう。
あのヘレン・ケラーさんも保己一を尊敬し、来日したときには彼の足跡を訪ねた、といいます。
保己一の活動は、ぼくが在籍している史料編纂所の仕事に繋がっていきます。
その史料編纂所の所長を務められた本郷恵子氏は、かなり後年まで「塙・保己一」先生ではなく「塙保・己一」先生だと認識されておられましたが、これは夫でもあるぼくだけが知るここだけの話です。