子どもの巣立ち、親の介護など…中年期を迎え環境が変わり、この先の人生を憂いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのようななか「後世で『偉人』と称された人のなかには、人生の後半で成功した『遅咲き』の人が少なくない」と話すのは、偉人研究家、伝記作家の真山知幸さん。そこで今回は、真山さんの著書『大器晩成列伝 遅咲きの人生には共通点があった!』より「阪急電鉄」の生みの親・小林一三が「創作者」という長年の夢をかなえるまでを一部引用・再編集してお届けします。
阪急阪神東宝グループを創業した実業家の小林一三
〈30代だけど「将来何になろうかなぁ」って感じで生きてる〉
SNSの「X」にて、あるアカウントからの投稿です。たちまち共感の声が集まって話題となりました。
〈40代だけどだいたいそんな感じ。未来のことはポジティブに考えたい〉
〈50代だけど、たまに通勤電車の中でこれを思う〉
「人生100年時代」が到来した今、年齢と関係なく、夢を追う人がますます増えていきそうです。
夢に向かって具体的に動き出せる人は、すぐに始めたほうがよいでしょう。「今日が人生で一番若い日」というフレーズが、背中を後押ししてくれるはずです。
しかし、なかには、夢はあるけれど何から始めればよいかわからない……そんな人もいるかもしれません。それでも心配は無用です。今やっていることを一生懸命やっていれば、自然と自分のやりたかった分野に近づいたりもするからです。
阪急阪神東宝グループを創業した実業家の小林一三が、まさにそうでした。
かつて一三が夢見たこと……。それは小説家として、創作活動を行うことでした。