(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
厚生労働省が発表した「令和元年 国民健康・栄養調査」によると、週1回以上外食を利用する人の割合は20代が最も高かったそう。若い世代を中心に自炊をしない人が増えているなか、今回は、ミニマリスト・佐々木典士さんと自炊料理家・山口祐加さんが、「自炊の壁」ひとつひとつを言語化し、その解決策を練った共著『自炊の壁 料理の「めんどい」を乗り越える100の方法』から一部を抜粋し、<自炊を楽しく続けるコツ>をお届けします。

料理はプロセスが多すぎる?

佐々木 今まで生きてきて、料理に向き合うのを後回しにしてきてしまいました。ぼくの部屋はものが少ないので、掃除機をかけるのも一瞬で終わるし、洗濯も乾燥までかけたら畳むのも数分で終わります。でも料理は調理だけではなく、買い物、下ごしらえ、皿洗いに至るまで本当にたくさんのプロセスがあります。だからどうしても難しく、複雑なものに見えてしまっていたんですよね。

山口 昔は、食材の種類も今ほど多くなかったし、洗い物だって、お茶碗にお湯を入れて拭うぐらいで、少なかったと思うんですよ。料理にまつわるプロセスが今ほど複雑ではなかったんだと思います。

<『自炊の壁 料理の「めんどい」を乗り越える100の方法』より>

佐々木 他の家事と比べると覚えることも多くて、最も複雑な家事であるのは間違いない。忙しければ、今までできなかったとしても仕方がない家事だという認識は、まずあってもいいのかもしれません。

山口 今は自炊をする理由が、歴史上でも最も弱い時代だとも思うんです。日本では外食が安いし、コンビニで買えるお惣菜もどんどん美味しくなっています。

佐々木 もはや「料理」という言葉に、確定申告ぐらい重たい響きがあるかもしれません。「料理とか……します?」と恐る恐る聞いたり。