【Q】「実家の片づけ」が気がかりです
A 重要書類さえ確認できたら、諦める覚悟も必要です
昨年12月、実家でひとり暮らしをしていた父親が93歳で他界しました。するとまず困ったのが、銀行口座や保険・年金などの重要書類がどこに保管されているのか、わからなかったことです。膨大な量の家具や道具類をどう処分するかも悩みの種に。
私の場合スタッフの力を借りて貴重品とそうでないモノに分け、残ったモノは専門の業者に処分してもらいました。
親子で力を合わせて生前整理を行うのが理想ですが、「死後は子どもに任せる」「モノを捨てたくない」と考える親世代も少なくありません。無理に片づけると親子間で衝突が起こるので、重要書類の保管場所を確認できたら残りはよしとする。
また、介護のために通う実家が汚くてストレスを感じる人もいるでしょう。その場合、実家の片づけは諦めて、自分の家を整えることに集中すること。自宅が片づいていないと心身が休まらず、体調を崩してしまうからです。
実家の片づけ問題をいい機会と考え、ご自身の生前整理についても家族と話し合っておきましょう。
小林弘幸
順天堂大学医学部教授
順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。
1960年、埼玉県生まれ。87年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。また、順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した“腸のスペシャリスト"でもあり、みそをはじめとした腸内環境を整える食材の紹介や、自律神経と腸を整えるストレッチの考案など、様々な形で健康な心と体の作り方を提案している。『医者が考案した「長生きみそ汁」』、『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム刊)などの著書のほか、「世界一受けたい授業」(日本テレビ)や「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBSテレビ)などメディア出演も多数。