イラスト:おおの麻里
見た目年齢を大きく左右する髪。とはいえ、年齢を重ねると薄毛や白髪など悩みも増えてきます。そこで、頭皮の老化を防ぎ、いきいきとした髪を育てるケアをご紹介しましょう(構成=渡部真里代 取材・文=佐藤ゆかり イラスト=おおの麻里)

細胞の老化が髪の悩みの原因に

ボリュームが減ったり、ツヤがなくなったり、年齢とともに増える髪の悩み。「原因の一つは、毛髪を育む細胞の老化」と言うのは、女性の発毛・育毛医療に取り組むイークリニック麻布院長の高橋栄里先生です。

髪は、頭皮の中にある毛球で作られます。毛球の内部に存在する毛母(もうぼ)細胞が分裂を繰り返すことで毛髪を形成し、女性で平均4〜6年かけて太く長く成長するのです。そして、成長が止まると自然に抜け落ち、同じ場所から新しい毛髪が生える“ヘアサイクル”を繰り返しています。

「ところが、加齢とともに毛母細胞も老化し働きが衰えます。するとヘアサイクルが乱れ、毛髪が十分成長する前に抜け落ちたり、新たな毛髪が生まれなくなったりするのです」(高橋先生。以下同)

白髪も細胞の老化が原因の一つだと高橋先生は言います。

「毛母細胞の周りには、髪を黒くするメラニンを生み出す色素細胞、メラノサイトがありますが、この細胞の機能が徐々に低下。最終的に細胞が消滅して完全な白髪になると、その毛穴からは、白髪しか生えなくなるのです」

問題は、細胞の老化だけではありません。更年期による、女性ホルモン・エストロゲンの減少も髪にダメージを与えるとのこと。

「エストロゲンには、細胞の老化を防ぐとともに、髪の成長を促す作用もあります。そのため、更年期を迎えるとヘアサイクルに影響を及ぼし、トラブルが起きてしまうのです」