<あらすじ>

豪(細田佳央太さん)の戦死の報せに、悲嘆する朝田家。

皆が口々に「豪は立派だ」と言う中、押し黙る蘭子(河合優実さん)。

深夜、線香を絶やさず起きている蘭子に、のぶはかける言葉がない。

翌日、焼香に来たのぶの生徒が、いつかお国のために立派にご奉公したいと言うと、蘭子はいたたまれず出て行ってしまう。

石置き場にたたずみ、豪との思い出がよみがえる蘭子。

蘭子の下駄の鼻緒が切れたのに気づき、結びなおしてくれた豪。恥ずかしそうなうれしそうな表情を見せる蘭子。

豪との記憶を思い出していた蘭子のもとに、のぶがやってくる。

蘭子は、戦死した豪がいろいろな人から「立派だ」といわれるたびに悔しいと思っていることを吐露。「どこが立派なのか」とつぶやき、2人は言い合いになる。

のぶは命がけで戦った豪は「立派だ」として、蘭子が誰よりも誇りに思うように告げる。

蘭子はのぶに、本気でそう思っているのか問いかける。「男の子は兵隊になって戦争に行きなさい、命を惜しまず戦いなさい。豪ちゃんみたいに名誉の戦死をしなさい、戦死したらみんなで立派やと言いましょうって」

「そうだがよ」を答えるのぶ。「うそっぱちだ」と叫ぶ蘭子。

そこに羽多子が現れ、蘭子を抱きしめて「泣きなさい」と声をかけた。

「会いたい、豪ちゃんに会いたい」と泣く蘭子だった――。