(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
厚生労働省が公表した「介護職員数の推移」によると、2023年度の要介護(支援)認定者数は705万人で、年々増加傾向にあります。そんななか、「介護者の人生を優先してほしい。そして在宅介護に困ったら、施設に入れることに罪悪感を持たないでほしい、入所をためらわないでほしい」と話すのは、介護老人保健施設に勤める医師・田口真子さん。今回は、田口さんの著書『最高の介護 介護のお医者さんが教える満点介護!』から一部を抜粋しお届けします。

老健についての基礎知識

老健を利用するためにはどうすれば良いのでしょうか。

【入所条件】要介護1以上

【申請方法】ご家族がその施設に「入所したい」と直接連絡するか、居宅ケアマネージャー(ケアマネ)や病院のソーシャルワーカーを通して申し込むこともできます。

【利用料金】施設の立地や部屋の種類、本人の負担割合などにより異なります。〈1割負担の場合〉多床室利用:月に約13万円 個室:約20万円以上(いずれも医療費、オムツ代含む)

【その他の費用】外出、散髪、洗濯、洋服レンタルなど別料金(施設による)

*入所者本人や世帯収入によって、老健や特別養護老人ホーム(特養)は減免を受けることができるので、金銭的に不安な方は役所で相談してみてください(減免対象であっても、手続きをしないと減免を受けることはできません)。

【内容】入所して最初の3ヵ月は個別リハビリがほぼ毎日あります。以降は週に2回に減ります。

毎日リハビリがあったほうが施設の収入が増えるので、できるだけ3ヵ月以内の入所者が多いほうが経営的に安定します。これが「老健の入所は3ヵ月」とよく言われるゆえんで、必ず3ヵ月で退所しなければいけないということではありません。