老健はそもそもリハビリ施設という位置づけ

老健には専門職によるリハビリもあります。入所から3ヵ月は「短期集中リハビリ」といってほぼ毎日リハビリがあり、3ヵ月を過ぎても、週に2回リハビリがあります。

注意が必要なのは、リハビリ専門職の配置義務はありますが、どのリハビリ職を配置するかは施設の裁量に任されていることです。中には言語聴覚士がいない老健もあるので、認知症や嚥下訓練を希望される時は、言語聴覚士がいるかどうか確認が必要です。

(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

老健はそもそもリハビリ施設という位置づけですから、毎日の生活そのものがリハビリです。病院と違って、立ったり座ったり、トイレに行ったりという日常生活の動作一つひとつが「生活リハビリ」であるという考え方が介護スタッフにも浸透しています。

リハビリ病院に比べてリハビリの総時間数が少ないと不満に感じる方もいますが、リハビリ病院から入所した人でも歩けるようになったりトイレが自立したりしますから、リハビリ時間のリハビリ以上に毎日の積み重ねが本当に大事なのだと思います。

※本稿は、『最高の介護 介護のお医者さんが教える満点介護!』(講談社)の一部を再編集したものです。


最高の介護 介護のお医者さんが教える満点介護!』(著:田口真子/講談社)

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