皮膚科の診察室で、力士たちの写真を披露することに…

ダニのせいだとは分かったが、確認と塗り薬をもらうために、旬の発疹の写真を数枚クリアファイルに入れて、連休明けに皮膚科に行った。ファイルから画像の写真を取り出し、医師の机に置いた時、別のプリントアウトした紙がバサリと出てしまった。

『あっ、しまった!』と思ったが、医師は、「なに?なに?わあ、珍しい写真」と、身を乗り出した。プリントアウトした稽古総見の写真が見えてしまったのだ。

申し合いで勝ち残りの関脇・霧島と稽古をしたいために群がる力士たち、土俵上の前頭筆頭・王鵬のアップ、横綱・豊昇龍が強さを見せつける写真など、発疹を撮影した同じカメラの望遠機能を駆使して撮影したものだ。

医師は、赤い膨らみはダニのせいと診断して、塗り薬を処方してくれた。そして、「珍しい写真を見せてくれてありがとう」と言われた。

仕事があり稽古総見を見られない学生時代からのスモ友(相撲友達)に見てもらおうとプリントアウトしたもので、皮膚科の帰りに郵便局に寄り、スマートレター封筒を購入して、その場で写真を入れて送るつもりだったのだ。

医師によりダニと判明したので、大型のドラッグストアに行った。ダニ対策の商品がずらりと並び、どれが一番効くのかと、初心者としては大いに悩んでから購入した。

家にいても家賃を払わないダニたちに、大家の私としては、一刻も早く立ち退いてもらいたい。

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