「音楽」と「科学」の果てしない可能性

ここ数年、夢中で取り組んできた目下の夢が「深層振動」の研究。これが今、形になりつつあります。

高音は遠くまで届かないけれど、低い音はゆっくり遠くへ届くと知り、人間には聞き取れない(非可聴)低い音である深層振動に興味を持ったことがそもそものきっかけでした。この深層振動の、人間の健康や病気の治療への有効性などが、科学的に証明され始めています。

僕はコンサートに深層振動を取り入れて、常に非可聴の低周波を流しています。ほかにも、アルバムや配信する楽曲に深層振動を組み込むなど研究を進めてきました。実は非可聴だったら何でもいいわけではないことがわかっています。研究には時間がかかる。

それでも、「音楽」と「科学」との、あるいは「音楽」と「医学」との境界領域には、果てしない可能性があると思っています。

今年は、6月、7月と立て続けに学会発表があり、「歌手」としてではない形で人前に立つ機会が増えていきそうです。

音楽には、人の命を救ったり、病気を治したりする力があると、ずっと信じてきました。ようやくその答えが出始めている、夢が叶おうとしていると思うと、楽しみで楽しみでたまりません。

後編につづく

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