難しかった土佐弁

寛は、やなせたかしさんの言葉を想起させるセリフがたくさんありました。台本を読んでいても心に響くセリフが多く、どうすればそのひとつひとつに深みをもって表現できるのか考えながら演じていました。標準語ではなく、土佐弁になったことでより親しみやすく多くの方に届いたのではないかと思っています。ただ、土佐弁は難しかったですね。

どうしても関西弁のほうが聞きなれているので、関西弁チックになってしまう。方言の先生に細かくご指導いただきました。

寛は名言がいろいろありますが、いちばん共感できたのが「人生は喜ばせごっこや」というセリフです。「本当にそうだな」と心に落ちてきました。

今年は戦後80年を迎えますが、今も昔も変わらないような気がしています。戦争も、80年前の過去のことではなくて、だんだんきな臭くなっている。誰もが不安を抱えて生きている。そういう時代からこそ、「人生は喜ばせごっこや」という精神が広がってほしい。今年の流行語大賞になってほしいくらいです。そうしたら、日本は素晴らしい国になると思います。