《特徴2:会話がかみ合わない》
見当識障害があると、話している相手が誰なのかわからない状態になることがあります。たとえば、実の娘と話しているのに敬語を使っていたら、他人と勘違いしている可能性があります。
また認知症の人は、会話のつじつまを合わせようとして適当な作り話をすることがあります。これを「作話(さくわ)」といいます。
介護のプロでも信じてしまう、巧妙な作話をする人もいます。要介護認定の調査員に対して、「自分は、何不自由なく家事ができる」と自信満々に話す人もいます。
その人が一人暮らしで、周りに確認できる人がいないと、実際とは違う介護度で認定されてしまうことも起こります。
《特徴3:会話が弾まない》
認知症の症状には「アパシー」というものがあります。アパシーとは、日常のあらゆる出来事に関心を失っている状態です。
それまで大好きだった趣味の話題でも会話が盛り上がらなくなったら、アパシーの可能性があります。うつ病とは違い、気分の落ち込みはないので、はじめは家族にも気づかれないこともあります。
症状が進むと、世間のことだけでなく自分のことにも関心がなくなり、着替えや部屋の掃除もしなくなります。
その段階になって、ようやく周りが気づく場合もあります。