日本人は世界でも変わっている、とはよく言われますが、具体的にはどのような意味で「はずれ値」なのでしょうか。統計データ分析家の本川裕さんは、「国際比較データで日本や日本人が世界の中で非常に特異な傾向を示すものが多い」と話します。今回は、本川さんの著書『統計で問い直すはずれ値だらけの日本人』から一部を抜粋しお届けします。
日本人夫婦ほど大切なことを相談しあう国民はない
国際意識調査をいろいろ調べていると、日本の夫婦については、他国の夫婦よりも相互に良好な関係を維持しているという意外とも思える結果に行き当たる。
当記事では、この点についての真相を探ってみよう。
まず、文部科学省所管の統計数理研究所によって行われたアジア・太平洋の11地域を対象とする価値観調査によって、各国の国民が、悩みごとをまず第一に相談する相手として、夫婦、親、友人などのいずれを挙げているかを見てみよう(図1)。

(図1)「悩みごとや重大な相談事を、まずどなたに相談していますか、あるいは、するとおもいますか」への択一回答(%)<『統計で問い直すはずれ値だらけの日本人』より>
日本人の回答の最大の特徴は、「夫婦」と回答した者が53.2%と多く、唯一、半数を越え、最多になっている点である。