理想の自分と実際の自分
「理想の自分」と「実際の自分」の乖離とは、別に難しいことではない。
眠れない夜に「あー、何があってもぐっすりと眠れるような人間になりたい」と思う。眠れないまま明日の仕事の大変さを想像して苦しむ。そして「早く眠ろう、早く眠ろう」としながら、眠れない自分にイライラする。これが「理想の自分」と「実際の自分」の乖離である。
何があってもぐっすりと眠れるような「理想の自分」になりたいと思う。
そして朝になると、寝不足で体が「ぼおーっ」としている。「あー、すっきりとした体で働きたい」と思う。「何で自分はこんな些細なことで眠れなくなるのだ」と自らの気の弱さを嘆く。
しかし世の中には神経質な人もいれば、何があっても動じない図太い人もいる。そこで「あー、あいつのように何があってもぐっすり寝られるような人間になれればなー」と自らの弱さを嘆き、図太い神経の友人を羨む。
「こうなりたい」という自分が「理想の自分」であり、「何で自分はこうなんだ」という自分が「実際の自分」である。
仕事をしても運動をしても、すぐに疲れてしまう。すると「あー、もっと体力があったらなー」と嘆く。「もっと体力があればもっと仕事ができるのに。そうしてもっと良いポストが得られるのに。もっと高い給料がもらえて、もっと快適な生活ができるのに」という嘆きの連鎖は止まらない。