なぜかリラックスできない人
「こうなりたい」という願望があまりにも強くて、「理想の自分」への執着を捨てられない。どうしても「実際の自分」を受け入れることができない。
思うように勉強に集中できない。そこで「もっと集中しなければ、集中しなければ」と焦る。仕事の成果が思うように上がらない。
すると「あー、もっと成果を上げなければ。もっと成果を上げなければ」と焦る。焦ってもどうにもならないのだが、焦る。でもどうしようもない。自分でも「焦っていても、どうにかなるものではない」と頭ではわかっている。しかし、気持ちは焦っていよいよ仕事が手につかなくなる。それが強迫感である。
そしてこの強迫感が、不安な緊張と言われるものである。人がリラックスできないのは、この強迫感があるからである。「リラックスしよう、リラックスしよう」としても内的に強迫されているからどうしてもリラックスできない。
おそらくそこまで「こうなりたい」という願望が強いのは、小さい頃に深く心が傷ついているからだろう。その小さい頃からの心の傷を、名声とか権力で癒やしたいのである。深く心が傷ついていなければ、そこまで「理想の自分」に執着しない。
「理想の自我像」というのは、実は「愛されるための自我像」なのである。