(写真提供:Photo AC)
これまでの人生で、手に入らない成功や不本意な評価、漠然とした生きづらさなどに悩まされたことはありませんか?「その原因は、実は、不安や怒りにまかせて他人を責めてしまう『外化』という心理メカニズムにある」と語るのは、早稲田大学名誉教授の加藤諦三さんです。今回は、加藤さんの著書『人はどこで人生を間違えるのか』から一部を抜粋しお届けします。

なぜなんとなく不満なのか?

自分が自分に不満な時に、学校に不満になる、社会に不満になる。自分に対する不満を、外側のものを通して感じる。

「なんとなく不満」というような具体性のない不満は、自分に対する不満の外化である。

自分自身に不満を持っている人は、仕事にも不満。仕事を通して自分に対する不満を感じる。

生涯教育などで、「教室が悪い」と不満な受講生がいる。何度教室を替えても同じことである。その人の自分への不満が教室を通して表れているに過ぎない。

単純化して言えば、基本的欲求が満たされていないから、教室に不満になっただけである。

幸福論はどちらが正しいというものでもない。

ただ、幸福論ではボトムアップの方がわかりやすい。しかし、それは正しくないということである。

その人が幸せだから「生きていれば良いことがある」と言う。良いことがあったから幸せなのではない。