妹は死んだと思うことにした

B子さんの夫は、「もう何を言っても義妹は聞く耳を持たないのだ。諦めるしかないよ」とB子さんに言った。「等分に手伝ってほしいなんて思わないけれど、少しは手伝ってほしいのよ」とB子さんは答えた。

介護を手伝ってくれているのは、実の親子ではない夫であった。B子さんは夫に対して申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

『介護と相続、これでもめる! 不公平・逃げ得を防ぐには』(著:姉小路祐/光文社)

その夫は「義妹にいくら手伝いを求めても、暖簾に腕押しだと思う。苛立ちが募るだけ損だよ。おまえのその苛立ちの矛先が、お義父さんやお義母さんに向いてしまうことにもなりかねない。それは避けなくてはいけないことだ。だから覚悟を決めよう」と説得した。

B子さんは、“もう妹は死んでしまって私は一人っ子になった。だから親の世話をするのは自分しかいないのだ”と思うことにした。