平均寿命より健康寿命を考えよう

寿命が長いのは嬉しいことですが、一方で注目したいのが、人が健康的に生活できる期間を示す「健康寿命」です。これは厚生労働省が3年おきに全国約20万世帯を抽出して発表する数値で、2022年の推計での健康寿命は男性が72.57歳、女性が75.45歳だと発表されています。

これが何を表しているかというと、人が死ぬまでの寿命と、自分が元気で暮らせる寿命は違うということ。健康寿命と死亡年齢最頻値の差だけを考えたならば、男性で約15.5年、女性は約16.6年もあります。この期間は、医療や介護サービスを使っている可能性がありますから、当然お金の負担も増えるでしょう。

『ゼロ活 ~お金を使い切り、豊かに生きる!~』(著:井戸美枝/扶桑社)

ここで考えるべきなのが、自分の残りのおおよその寿命に対してお金がいつまで続くかをしっかり逆算して資産を管理すること。

「自分が亡くなるときに資産がちょうどゼロになるように」と逆算する行為は、言い換えれば「自分の人生を最後まで楽しむ」ということです。趣味にお金を使ったり、行きたかった場所へ旅行に行ったり、友達と楽しい時間を過ごしたり、健康寿命を参考に自分自身が元気な時間をきちんと考慮して、やりたいことをたくさん楽しんでほしいのです。

「ゼロ活」は、終わりのための準備ではありません。

むしろ、自分らしく自由に生きるための楽しい計画です。自分が築いてきた大切なお金を、ぜひ自分自身のために上手に使ってください。