典型例は……
ジョギングを日課としてきた人がいる。若いころは週末には必ず10キロ走っていたが、70歳をすぎて、さすがに苦しくなってきた。膝や足首も痛い。健康のために続けているのかもしれないが、自分の体を思うなら、すぐにやめるべきだろう。
それなのに「続けるのが自分の生き甲斐」と勘違いしている。それをやめてしまうと、人生に負けたような気がするのだろう。10キロは無理でも5キロは走ろうなどと考えるのだが、膝や足首の痛みは日に日に増していくばかり……。
お金が絡む場合は、生活を破綻させかねない。かつて高給取りだったころは贅沢ができた。ところが年金生活に入ればそうはいかない。それでも続ける。旅行が趣味の人が、昔のようにグリーン車に乗り、豪華なホテルに泊まろうとしたりする。格安のバスツアーやビジネスホテルだと、みじめな気がしてしまうそうだ。
こうしたこだわりは自分を苦しめている典型例だろう。