行政サービス発見!!

こうした事態を目の当たりにしてきた行政の福祉担当者が作ったのが、横須賀市の「わたしの終活登録」制度だった。

成り立ちから何から、なんて私にぴったりな制度なのだろう。サービスを開始したのは2018年だそうだが、私はその1年前から横須賀に住み始めたわけで、まるで私のために作ってくれたようなものではないか。情報の預かり先が行政なのはやっぱり安心できるし、連絡を受けた方も行政からの発信なら余計な警戒をせずに済むだろう。

『死に方がわからない』(著:門賀美央子/双葉社)

そういうわけで、さっそく市の担当部署に連絡してみた。

すると、本当に電話一本で登録できた。

担当者も余計なことは何も聞かないし、言わない。ただ必要なことだけを丁寧に教えてくれる。対応に安心感があった。私はとりあえず喫緊の課題である緊急連絡先とリビング・ウイル及び臓器提供意思の登録情報だけを預かってもらうことにした。

数日後、市から登録内容用紙のコピーと、携帯できるカードサイズの登録証明書が送られてきた。

そして、登録用紙に記載されている項目を見て驚いた。

個人情報や緊急連絡先はもちろんのこと、遺言状やエンディングノートの保管先、さらには各種生前契約の契約先など、まさに死んだ時にわかっていないと困る情報を、完全にワンストップで登録できる仕組みになっていたのだ。おまけに墓の所在地については死後も抹消せずに取っておいてくれるらしい。

さらに開示先もかなり細かく設定できるようになっている。

大変良くできた制度だ。

横須賀市グッジョブ。