「お化粧は365日、しない日はないです。どこへも出かける予定がなくたって、今日みたいに友達が訪ねてくるかもしれませんからね」

月に何度かは通院や買い物、ショップでの勉強会で市内へ通う。

ショップへは途中までバスで行って、停留所からスマホでタクシーを呼ぶのだが、「そのほうが、終点から乗り換えるよりバス代もタクシー代も安く済むと発見したんです」と、節約術を嬉しそうに教えてくれる堀野さん。

長い人生、困ったことはいろいろと起きる。それでも諦めずに道を探し、自分にできることは何かと考え、手や体を動かしてみる。その前向きな意欲と頑張りが、ギネス世界記録にもつながるパワーの源かもしれない。

バレエと化粧品、分野は違うけれど、美を追求するという意味では共通しているだろう。ご自身の変化を受け入れ、そのなかでできることを楽しんでいる。

今日一日を明るく前向きに過ごしていれば、年齢なんてきっとどこかに忘れてきてしまえるのではないかと感じられる、お二人の姿だった。

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