就いた職業は、関係があるのか?
また、生まれつき脊椎の形状に異常がある先天的な理由や、日常生活における姿勢の悪さ、骨粗しょう症などが影響するケースもあります。
職業も、無関係ではありません。
重い物を持ったりかがんで作業をしたりすることの多い仕事に就かれている(若いころに就かれていた)人は、背中が丸まりやすいという印象があります。
これらが複合的に絡み合って、脊柱後弯が進んでいくのです。
佐藤さんの話をひととおり聞いて気になったのは、「運動をほとんどしていない」と「他人からよく猫背と言われる」という点です。
椎体骨折の経験はないようなので、運動不足による筋力低下と関節の可動域の減少、さらには姿勢の悪さが後弯化を助長してしまったのかもしれません。
そしておそらく寺田さんは、佐藤さんに比べて姿勢がよく、普段から体を動かす習慣が身についているのでしょう。
この違いが、同年代でも見た目の印象に大きな差を生じさせる原因になったと考えられます。
※本稿は『人は背中から老いていく』(アスコム)の一部を再編集したものです。
『人は背中から老いていく』(著:野尻英俊/アスコム)
人は「背中」から老いる──
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