(写真:stock.adobe.com)

OsakaBookOneProject(以下OBOP)は、2025年7月、第13回大阪ほんま本大賞の受賞作を発表した。

今回の大阪ほんま本大賞受賞作は、『幸村を討て』(今村翔吾:著/中央公論新社)。そして特別賞に 『大阪人も驚く 大阪超マニアック案内』(歯黒猛夫:著/河出書房新社)が選ばれた。

OBOPは、「書店・販売会社の垣根を越えて、大阪に関する1冊の本を、力を合わせてみんなで売る。そして、そこで得られた利益の一部で、子どもたちに本を寄贈する」という趣旨のもと、関西の書店員・販売会社社員の有志で集まり、立ち上げられたプロジェクト。

今回で13回目となる「大阪ほんま本大賞」は、大阪に関係する著者・内容の既刊書籍を掘り起こし、「大阪からベストセラーを」という目的のもとに、「大阪人にお薦めする、大阪に関係する小説」を対象に、出版社・書店員からの推薦作の中から大賞・特別賞を決定している。

また、販売期間内の収益の一部を原資とし、大阪府社会福祉協議会を通じて大阪府下の児童福祉施設へ図書の寄贈も行っている。

 

大賞を受賞した『幸村を討て』の著者・今村翔吾さんは、今回の受賞に

「選んでくださってありがとうございます。
大阪らしい賑やかな冠を被せていただき、作品も喜んでいると思います。
大阪の書店のこのような取り組みを、僕も大阪の書店の一人として盛り上げていければと思います。」

とコメント。

特別賞の『大阪人も驚く 大阪超マニアック案内』の著者・歯黒猛夫さんは

「営んでいたカレー屋を廃業し、突然ライターを本業としたのは38歳のとき。
それから25年間、どうにかこうにか執筆で糊口をしのいできました。
この賞をいただいたことで、やっと「職業はライターです」と胸を張って言えそうです。」

とコメントを寄せている。

OBOP事務局では、大賞・特別賞を合わせた販売目標部数を3.5万部として、7月25日より大阪府下および関西近隣エリアの書店約800店にて店頭展開を開始、翌年1月末まで大々的な販売やイベントを実施する。
 

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