パリジェンヌは「意識的に食べている」
話は面白いのですが、私は最初のうち、かなり手持ち無沙汰でした。ふと、周りを見てみると、運ばれてきたお皿をあっという間に平らげていたのは私だけです。みんなまだ半分も食べていません。すかさず、
「ジュン、食べるの早過ぎ」
というツッコミが飛んできます。もちろんファニーです。
私は言い返すこともできませんでした。言われてみれば私はものすごく食べるのが早いのです。デスクトップの画面から目を離さずに昼食を取る時の私は、すごい勢いで食べていました。会食中はと言いますと、話に集中しているため、何を食べているかあまり意識せず、口にある物をただ飲み込んでいました。いずれの場合も、「あまり食べた気がしない」という感覚が残る食べ方でした。
周りのパリジェンヌを観察していると、ゆっくり噛みながら昼食を楽しんでいます。そして、注文した前菜の出来が良いだの、悪いだの、お肉の焼き加減が最高だの、最悪だの、出てきた料理の評価をしています。更には、ここはシェフが最近変わって美味しくなっただの、不味くなっただの、レストランの批評も欠かしません。つまり、私から見れば、かなり「意識的に食べている」のです。