顔が与えるリッチ感

私とほぼ同年齢、つまり中年なのにこの圧倒的清潔感。ここで驚いたのは、“整える”が与える好印象には顔の造作や身長などまったく関係がないんだ、ということだった。むりやり言葉を当てはめると清涼感なんだけど、ここが大事、プラスされる「リッチ感」。なんでかリッチなのよ。リッチなのよ、雰囲気が。

顔が与えるリッチ感というのは、たぶん半分はうるおいだ。潤っているのだ。女が見ればわかる。画面越しでも瞬時に理解する。おじさんたちの皮膚の水分量が圧倒的に多い!

『父と息子のスキンケア』(著:高殿円/早川書房)

そしてもう半分のリッチ感の正体とは安心感だろう。歳をとると顔の造作とか若さによる肌のはりとかとは違う、この圧倒的積み上げでしか醸し出せない清涼感というのは、一種の安心、信頼なのだ。そんなのビジネスで一番大事なやつじゃん。

いやこれが資生堂のメンズスキンケア族……、と感動してしまった。