また、ある稽古場では「役者はある程度、孤立感があったほうがいい」と言っていて。まさしく今、『ハリー・ポッター』の冒頭で若いアンサンブルの子たちに交ざって通行人を演じている最年長の僕は、ちょっと孤独を感じていたんですよ。
でも、蜷川さんのその言葉を聞いて、孤独の中でやるからこそ生まれる何かがあるんだと思えた。蜷川さんの言葉は自己診断に役立つ。役者として忘れていた大切なことを、ぶわぁっと呼び起こしてくれるんです。
稽古の日々で大事にしたいのが、日常だね。家に帰ったらお風呂に入って、息子たちとご飯食べて、一緒に映画やユーチューブを観る。
息子たちも税金のこととか社会の仕組みに興味を持ち始めて、それに関連した映像を観ながらいろんな話をするから、僕も一生懸命勉強しているんだけど。その大変さもやっぱり楽しいんだよね。