そして【帰宅後】に…
小林:一日を終えたら、「今日も無事に過ごせたことへの感謝」を、ぜひ意識してみてください。これは心と体の両方に良い影響を与えます。副交感神経が優位になり、睡眠の質も上がります。
平井:今日はゴルフを例にお話をうかがってきましたが、先生のお話は、ウォーキングや庭仕事、外での仕事などをしている方にも当てはまりますね。
小林:はい、大切なのは“特別な運動”をすることではなく、自律神経を整える習慣を自分なりに見つけていくことです。
その意味で、ゴルフは非常にバランスの良い習慣ですが、それがすべてではありません。「朝の光を浴びる」「体を動かす」「誰かと笑い合う」「無理をしない」——これだけでも、夏バテや熱中症の予防になります。
平井:「ゴルフをする人もしない人も、人生のパフォーマンスを上げる夏の過ごし方」として、ぜひ参考にしていただきたいですね。
小林:ええ。「自分の体調に耳を傾けること」こそが、健康を守る第一歩です。
小林弘幸
順天堂大学医学部教授、日本スポーツ協会公認スポーツドクター
1960年、埼玉県生まれ。87年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。また、順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した“腸のスペシャリスト"でもあり、みそをはじめとした腸内環境を整える食材の紹介や、自律神経と腸を整えるストレッチの考案など、様々な形で健康な心と体の作り方を提案している。『医者が考案した「長生きみそ汁」』、『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム刊)などの著書のほか、「世界一受けたい授業」(日本テレビ)や「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBSテレビ)などメディア出演も多数。
平井孝幸
Wellness Golf エクササイズ開発者、健康経営アドバイザー
株式会社イブキ代表取締役。1982年、東京都港区生まれ。2003年に慶應義塾大学卒業後、DeNAにて従業員の健康サポートを手がける専門部署CHO(Chief Health Officer)室を立ち上げる。健康経営に関する活動を元に、ゴルフ上達エクササイズスタジオを東京・神田で運営(https://new-grafyl.studio.site/)。クラブを振らずにゴルフが上達するプログラムなどを開発し、美や健康に関心の高い女性ゴルファーからも人気を集めている。著書に「最高のコンディションを毎日維持するためにしていること」(東洋経済新報社)。YouTube:https://www.youtube.com/@TenSwing/shorts