歴史の深さを伝えたい

――8月23日のハルビンコンサートに向けて、意気込みを教えてください。 

Nozomi Lyn:中国は私のルーツでもあるので、歴史や魅力を伝えられたらいいなと思います。中国に帰ると毎回、本当に素敵な国だと感じるんです。今は技術の発達がすごくて、ホテルでロボットがタオルを運んできたりするんですけど(笑)。コンサートでは『渡り鳥の子守唄』を、日本語と中国語のミックスバージョンで歌うのを楽しみにしてます。 

加藤:歴史の古い国ですよね。長ーい歴史を生きてきた国。ハルビンには、亡命してきたロシアの人たちやユダヤの人たちとか、いろんな人の運命が集まってきた。戦争で生き抜けなかった人もいる中で、音楽が人々の願いを脈々と今につないできたんだと思うんです。私は音楽家としてハルビン出身であることをものすごく大事にしたい。だからこそ、この街の素晴らしさを伝えたいと思っています。コンサートにはNozomi Lynさんのほか、次女のYaeも出演します。祖母・母・孫…3つの世代が集まって歌うので、各世代の心に届けることができれば。日本と中国のつながりを築いてくれる次の世代へと、バトンを渡せるようにしたいです。 

 

加藤登紀子さん、Nozomi Lynさん
コンサートでは祖母・母・孫…3つの世代が集まって歌う。日本と中国のつながりを築いてくれる次の世代へと、バトンを渡せるように
【関連記事】
加藤登紀子 デビュー60周年、故郷である中国・ハルビンでのコンサートを開催。80歳を超えた今、歌い継ぐ「歴史」とは
加藤登紀子「79歳ひとり暮らし、夜は温冷交代浴とかかと落としで健康を維持。寂しさに泣きながら夕飯を作る日もあるけど、前向きに生きる」
加藤登紀子「夫・母を見送り、子どもは巣立ち孤独に。洋服のリメイクを始め、母の形見を使って裁縫中『なんてこった!』と連呼することが習慣に」

<告知>
●加藤登紀子コンサート情報

加藤登紀子コンサート2025 in Harbin with ハルビン交響楽団

中国・ハルビン音楽庁ホール
2025年8月23日(土)
開場 18:00
開演 19:00

出演者
歌:加藤登紀子
演奏:ハルビン交響楽団
ゲスト:菅野よう子(Pf.)、五条院凌(Pf.)、Nozomi Lyn(Vo.)、Yae (Vo.)

コンサート情報はこちら
https://www.tokiko.com/

●CD情報

加藤登紀子60周年記念企画アルバム「for Peace」好評発売中

新録15曲を含む全35曲、2枚組作品。加藤登紀子の平和への切なる想いと60年のキャリアを共に歩んだ楽曲たちを収録。

加藤登紀子60周年記念企画アルバム「for Peace」

 

●Nozomi Lyn

配信シングル「渡り鳥の子守唄」

2025年8月22日 各音楽配信サイトにて配信スタート
加藤登紀子が作詞作曲を手掛けた「渡り鳥の子守唄」を、日本に生まれ、中国、アメリカで育ったNozomi Lynが、同一曲を日本語、中国語、英語の3verで歌唱。

CD「渡り鳥の子守唄」2025年9月17日発売

Nozomi Lyn「渡り鳥の子守唄」