女性たちが覚悟していた、名誉ある行為とは?
以上の逸話からは、戦国時代の武家の女性の自害について、次のような重要な観点が指摘できます。
別所吉親の妻は畠山総州家という高い身分の出身であり、その立場にふさわしい最期を遂げることが期待されていました。
子どもたちの命をみずからの手で絶ち、その後に自害するという行為は、武家の正室としての覚悟を示しています。
原文では「希代之名誉有」と表現されており、彼女の行動が高く評価されていることがわかります。
夫に刺し殺されていないので、通常ならば、開城とともに彼女は尼になるはずでした。つまり、三木城の開城の条件からすると、乱暴狼藉にあい、敵の手に落ちる恐れはありませんでした。
それでも、みずからの意思で最期を遂げることが、名誉ある行為として認識されていたのです。