◆天才の顔と下ネタ好きの二面性
この大作曲家の人となりを一言で表現するとしたら、お茶目でちょっと下品な天才でしょうか。一時期、「モーツァルトの音楽は胎教にも、ワインを熟成させるにも効果がある!」なんていわれていたことがあります。それくらい優雅で脳や心にもよさそうな曲ばかり書いていたイメージのあるモーツァルトですが、じつはとんでもなく下品な一面があったんです。
たとえば、この人のラブレターというのがとんでもない。奥さんのコンスタンツェに宛てた手紙もそうなんですが、特に有名なのは2歳年下のいとこのマリア・アンナ・テクラ・モーツァルトに宛てたお手紙。これは、後世になって「べーズレ書簡」と呼ばれるようになって、モーツァルトの《影》の部分を露呈する元ネタになってしまいました。
もう、ヤバいのなんのって。とにかく内容も言葉の表現もいわゆる下半身ネタのオンパレード。今でいう「ピー」っていうやつです(笑)。興味のある女の子へのラブレターですよ。本当はお手紙の一節を引用したいくらいなんですが、ちょっと趣旨が変わっちゃいそうなのでやめておきますね。
興味深いのが、モーツァルトのこの性質はお母さん譲りという説もあって、モーツァルトは、どうやら子どもの頃からお母さんの下ネタ語彙をたくさん聞いて育っちゃったらしいんです。