「学校にただ行ってさえいればいい」が正解なの?

同伴登校を強いられて学校に行った親子は、空き教室で何をしているのでしょうか。ケースによりますが、多くの場合、先生から渡されたプリントを黙々とこなすだけです。休み時間になると、先生が顔を出すこともありますが、それもただの確認にすぎないことがほとんどです。

もっとつらいのは、「何もない時間」の存在です。席に座っていても、やることはありません。何もない時間を何時間も過ごすことは苦痛以外の何ものでもありません。ただ学校に行ってさえいれば、それでいいのでしょうか。

親と一緒に同伴登校したとしても、子どもは「同伴登校なら行けた」というよりも、「別室登校や同伴登校しかできない自分」や、「学校生活をふつうに送れない自分」に目が向いてしまい、自己否定感が強まる可能性があります。そのリスクのほうが大きいのです。

親が頑張って学校に付き添う姿は、「子どものためを思っているよい親」と見えるかもしれません。しかし、子どもの意思と反対のことに付き添うことは、結果的に子どもの気持ちを否定することになりかねません。そのことを、心の片隅に置いてもらえたらと思います。

※本稿は、『小学生不登校 親子の幸せを守る方法 400人の声から生まれた「親がしなくていいことリスト」』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

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小学生不登校 親子の幸せを守る方法 400人の声から生まれた「親がしなくていいことリスト」』(著:石井しこう/KADOKAWA)

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