「新聞を読んでいる人のほうが認知症の進行がゆるやかだったり、発症年齢が高い」と指摘するのは、脳神経外科医で1万人以上の脳を診てきた石川久氏。いつもの新聞の読み方を「ひと工夫」するだけで、記憶力や集中力・基礎思考力など、脳のさまざまな機能を刺激することが可能になります。認知症を遠ざける新聞の読み方とは――著書『最近、「あれ」「それ」が増えてきた人のための70歳からの脳が老けない新聞の読み方』より、一部を抜粋して紹介します。
「言葉貯金ノート」を作ると、好奇心がよみがえる
学生のころ、「わからない言葉があったら辞書をひいてください」と先生に口酸っぱく言われたものですが、じつは「辞書をひく」ことが脳を活性化させるのにぴったりな行為であることをご存じでしょうか。
ところが、残念なことに社会人になると、辞書を開く機会は減っていきます。それは、実際の生活の中で知らない言葉があっても困る機会があまりないからかもしれません。
ただ、「知らないことを調べようとしない」のは、好奇心の衰えの原因となり、脳にとっては大問題です。
好奇心の衰えは、いずれ意欲の低下につながり、やがて認知症リスクを高めていきます。
言葉を知らなくても困ることは少ないかもしれませんが、認知症を患ってしまうのは困りますよね。そこで提案したいのが、「言葉貯金ノート」を作ることです。
新聞を読んでいると、意味がわからない言葉に出くわすことがあります。
そんなときは、その言葉をノートに書き出しましょう。
そして、辞書で意味を調べて、言葉の意味をノートに書いていきます。
意味がわからない言葉に出会うたびに、これをくり返します。