(『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』/(c)NHK)
江戸のメディア王として、日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築いた人物“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の生涯を描く大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』。ドラマ内では浪人・小田新之助がこの世を去りました。平賀源内のもとで蔦重と出会ったのち、松葉屋の女郎・うつせみと夫婦となった新之助でしたが、いずれも非業の死を遂げることに。演じた井之脇海さんにお話をうかがいました。(取材・文:婦人公論.jp編集部 吉岡宏)

新之助という役を演じきって

浪人から始まり、足抜けをして百姓になって、最後には打ちこわしを先導する革命戦士に。それこそ1年2ヶ月ほど新之助を演じてきて、今は達成感がかなり大きいです。

クランクアップは新之助が亡くなるシーンでした。ですので、演じながら「これで終わり」という思いを一層強く覚えました。

ドラマ内でも意次が言っていましたが、この時代の武士は実際に戦ったことがない。それでいて新之助は体より頭が先に働くような性格。足抜けのあと、武士の意地だけで切腹できなかったのも、刀を突き刺したあとの痛みを先に考えてしまったからだと思います。

そんな彼が最後、全てを取っ払い、蔦重という友人を守るために命を落とす。それは新之助の成長が垣間見えたようで、演じていてうれしかったです。