「氷水につける」と「50度洗い」の違い

レタスの葉を水につけるとやがてシャキッとしてきますが、これは切り花を水に挿しておくのと同じ原理です。切り花でもレタスの葉でも、切り口を水につけると毛管現象で切り口から水を吸い上げます。花屋さんで買った切り花が家に帰るまでに少しへたってしまっても、花瓶に挿せばやがて首を上げ、茎もしっかりかたくなるのと似ていますね。

レタスも千切りにしたきゃべつも、水につけておけば同じように切り口から葉脈を通じて水を吸い込み、水が行き渡ってシャッキリします。

(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

氷水に入れることもありますが、この場合は「シャッキリさせる」と「冷やす」を同時にやっているだけで、氷水だから効果があるわけではありません。常温の水でもちゃんとシャキッとします(氷水は野菜の温度によっては細胞が死ぬことがあるので、基本はおすすめしません)。

前述した「50度洗い」でも氷水につけた場合でも、野菜は同じようにシャキッとしますが、違いは「シャッキリの持ち具合」です。水につけただけだと、冷蔵庫に入れておいてもじきに水が切れてしなしなに逆戻りします。しかし50度洗いをした場合、冷蔵庫に入れても、細胞壁自体がかたくなっているため、かなり長い間シャッキリした状態が保てます。密閉袋に入れておけば、2、3日は大丈夫でしょう。

すぐに食べる場合なら、氷水または水につけたものを冷やすだけで十分ですが、もう少し持たせたい場合は50度洗いの方が向いています。