「数は多ければいい」と数に振り回されると……

たとえば、資格取得が目的になり、人生の迷子になっている人がいます。

「この資格じゃ、まだ満足できない」と焦るあまり、取得した資格の数ばかり増え、「それをどう活かすか」が見えなくなっている。そんな人も数病の患者です。

『10人の東洋哲学者が教える ありのままでいる練習』(著:筬島正夫/SBクリエイティブ)

より身近な例で言うと、食べ放題で「たくさん食べたほうが得」とばかりに無理に食べすぎてお腹を壊す人も数病です。

また、社員をお金を生み出す道具のように考え、人間よりも成果やお金という数字を重んじるブラック企業は、数病に侵されている最たるものの一つでしょう。

目標を達成した時、一時的な熱狂があっても、安らかな心が手に入れられない場合、数病に侵されている可能性が高いです。さらに、成果という数字を追い求めるあまりに、うつ病や過労死などに追い込まれてしまうのは、数病の末期症状と言えるでしょう。

つまり「心よりも数値」にフォーカスし、「数は多ければいい」と数に振り回されると、どんな人でも不幸になってしまうわけです。