自給自足のスローライフ

老子は「知識や欲望を削ぎ落とし、競争を手放し、自然と調和して生きなさい」と一貫して説いています。現代社会の「もっと成功しなければ」「もっと効率的に動かなければ」、そんな価値観とは対極にあります。

「豊かさとは『何かを増やすこと』なのか?」

そう問われているような気持ちになります。

自給自足のスローライフに魅了される人が増えているのは、この問いへの答えなのかもしれません。

便利さを求める社会では、手間のかかることを「無駄」と考えがちです。

しかし、実際に自分でつくる喜びを知った人は、「効率」よりも「充実感」に目を向けるようになります。たとえば、野菜を育て、手をかけて調理し、じっくり味わう。そのシンプルな行為が、人の心を満たしてくれるのです。

スマホを手放し、少しだけ手間のかかることに挑戦してみませんか?

何かの野菜を育て、手仕事の楽しさを味わうとか、昼寝をしてみるとか、そんな小さな一歩が、「もっと欲しい」という数病を軽減してくれるでしょう。

 

※本稿は、『10人の東洋哲学者が教える ありのままでいる練習』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

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10人の東洋哲学者が教える ありのままでいる練習』(著:筬島正夫/SBクリエイティブ)

みんな、ありのままの自分で幸せになっていいのです。

あなたは、あなたのままで幸せになれるのですから。

「とはいえ、どうすればいいのかわからない」

そんな人にぴったりなのが、東洋哲学です。