(写真はイメージ/写真提供:Photo AC)
ニーチェ、シェイクスピア、旧約聖書…長く愛されてきた古典からは、理不尽な世の中を生きていくためのヒントが見つかるかもしれません。哲学・文学・思想をどのように人生に役立てていけばいいのか。人気オンラインスクール『古典教養アカデミー』主宰の宮下友彰さんが、豊富な事例と共に紹介する著書『不条理な世の中を、僕はこうして生きてきた。』より、一部を抜粋して紹介します。

小さな成功で考え方が変わった

広告代理店の新入社員として働く中で、一度は逃げ出したけど、もう一度向き合い「人間性を保ちながら非人間的な都会で生きていく」という、第3の道を選んだ僕は、この社会と対決することを決意し、まず社会人としてのルールを積極的に学ぼうと考えました。

そして、仕事でも、ちょっとした野望を持つことにしました。

今は小さな仕事しか任せられておらず、やりがいも感じないけれど、それも自分の態度次第でどうにでもできるのではないかと思うようになったのです。

僕の部署のクライアントの1つに、お役所を代表する、いわゆる官公庁がありました。

この仕事は向こうから依頼してくれるものではなく、「公告」というものが各官公庁のホームページに掲示され、そこに「こういう仕事があるから、受注したい企業は期限内に提出しなさい」と書かれていて、こちらから応募する形になっています。

この公告はいつの間にか掲示され、いつの間にか提出期限が終わるので、毎日チェックしなければなりません。

僕は上司に相談し、その仕事をやりたいと伝え、もしそこで興味のある仕事を見つけたときには、僕にその仕事を任せてほしいとも交渉しました。

そして、上司は快諾してくれました。