夫の実家の犬、ナナちゃん。犬まで満ち足りて穏やかそうに見えてしまう(写真提供:筆者 以下すべて)
noteが主催する「創作大賞2023」で幻冬舎賞を受賞した斉藤ナミさん。SNSを中心にコミカルな文体で人気を集めています。「愛されたい」が私のすべて。自己愛まみれの奮闘記、『褒めてくれてもいいんですよ?』を上梓した斉藤さんによる連載「嫉妬についてのエトセトラ」。第13回は「親ガチャ」って何だろう。私がほしかったのは「裕福」ではなくて「普通」の家庭だった」です

前回「陽キャは犬を、陰キャは猫を飼う?自意識過剰で陰キャな私は、陽キャの友人が羨ましく、夫のことは理解できない」はこちら

親ガチャ

「夏休み、ハヤトはニューヨークに旅行らしい」

「リツキんちのお年玉、10万円だって」

長男がSNSやLINEを眺めながら、裕福な友達の近況をつぶやいている。
もしかして「うちは親ガチャハズレだわ」とでも思っている……?

「親ガチャ」という言葉が普及して久しい。この言葉は、人生がどのような親のもとに生まれるかによって決まるという考え方を、何が出るかわからないカプセルトイの「ガチャガチャ」になぞらえたものだ。

裕福な家庭に生まれ、良い教育を受けられることは人生において有利だ。一方、貧しい家庭や問題を抱えた親のもとに生まれた場合、大きなハンデとなる。

どの親のもとに生まれるかなんて自分では選ぶことができない。そりゃあ選べるもんなら私だって高級寿司店の大将がお寿司を握りに来たり百貨店の外商の人が商品を持ってきたりするような家庭に生まれて、世間知らずな発言なんかして友達にドン引きされてみたい!