家・病院・それとも……最期をどこで迎えるか

うまいように死ぬためには、死に場所も問題です。厚生労働省が発表している2023年の人口動態調査によると、日本人の死に場所は病院・診療所が65.7%、老健・介護医療院が4%、老人ホームが11.5%、自宅が17%となっていました。

このパーセンテージをすべて足すと、98.2%。では、残りの1.8%は、どこで死んでいるのでしょう。

ある時、永六輔さんに「どこで死にたい?」と聞いたら、「旅が好きだから旅の途中で行き倒れたい。うつ伏せになっている僕の遺体を誰かが見つけて、裏返したら『このアゴの大きさは永六輔だ』なんて死に方が理想」と言っていました。

僕は、イラクの難民キャンプに行く途中、砂漠で心臓発作を起こして死ぬのもいいな、などと思ったものです。するとうちの妻が、「イラクの砂漠まで遺体を引き取りに行く私の身にもなってよ」(笑)。

「じゃあ、スキー場でびゅんびゅん滑っている最中に心臓発作で終わるというのはどうかなぁ」と言ったら、「それなら迎えに行けるわ」とのことでした。やりたいことをやっている最中に旅立てれば、まさに本望かもしれません。