80を過ぎてアパートで一人暮らしをしている要介護2の女性Bさんは生活保護の受給者で、在宅酸素療法を受け、介護サービスを積極的に利用して日々を過ごしています。
ある時、「施設に入ったほうが、生活全体が楽になるんじゃない?」と言ったら、「それはダメ。最期までここで暮らします」。理由は、映画が好きで、夜中まで映画が見たいから。
「隣近所には友だちが大勢いて、交替で安否確認もしてくれる。お金がないから一食分の冷凍ラーメンを2回に分けて食べて、それにちょっとご飯を足したりして工夫をしながら、私はここでの生活に満足しているの。生きている限り、好きなように自分の時間を使いたい」と言うのです。
彼女のアパートの冷蔵庫には、こんな貼り紙がしてありました。「私に万が一のことがあった場合、私は満足して納得して生きてきましたので、救急車は呼ばないでください」。好きなように生きて潔く死を迎えたい、という強い意思が感じられます。